消えた映写機を悼む
この間、友人と一緒にストックホルムにある「Hotel Rival」というホテルのバーで飲みました。ホテルバーらしくこのバーはおしゃれで飲み物もおいしいし、インテリアもアールデコ風で美しいく、雰囲気もよく素敵な時間を過ごせました。でもちょっと悲しい気持ちになりました。その理由はこのバーが元々映画館のロビーだったからです。
先進国のどこにもある現象だと思いますが、スウェーデンの映画館の数は少しずつ減少しています。テレビやホームシアターの普及により、人の映画館離れが進み、1つのスクリーンしかないような昔ながらの映画館は、スクリーンがたくさんあるシネマコンプレックスとの競争に負け、閉館してしまいます。映画鑑賞歴20数年しかないこの僕でさえも、倒産して消えていく映画館をどれほど見届けたのでしょう。有名な映画監督、イングマール・ベルイマンがよく通っていたと言う「Fågel Blå」。建築家、グンナール・アスプルンドが設計した「Skandia」(まだ映画祭が開催される時には使われている)。そして「Astoria」や「Riviera」や「Sture」などなどがこの10年、次々と閉館に追われました。

左:Fågel Blå/中央:Riviera/右:Astoria
それは映画ファンにとって本当に残念なことです。こういう昔からある小さい映画館は独特の雰囲気があって、今風のシネマコンプレックスよりはるかに居心地がいい。さらに残念なのは、小さい映画館がなくなっていくにつれて、ホリーウッドなど英語圏以外の映画を見る機会が少なくなってきたということです。
映画館「Rival」は1937年にオープンして以来、ほとんど変わっていない美しいアールデコ風のインテリアで有名で、文化的な価値があると判断され、重要文化財となりました(それはスウェーデン語でk-märktと言う)。ですから嬉しいことに映画館が潰れて、ホテルのバーに変わってもインテリアはほとんど昔のまま見ることができます。でもやっぱり、もう映画がスクリーンに投影されないというのはちょっと悲しいです。
by ヨハン・ファント from Stockholm

