推理小説を通してストックホルムを楽しもう!
小説を通して、自分が行ったことがない場所や、おそらく一生行けそうもない場所を楽しめる。それは小説の大きな魅力の一つだと思います。逆にストリーの舞台となっている場所行ったことがあれば、リアリテイーが増し、もっと面白くなる場合もあります。だから僕はストックホルムが舞台となっている小説も読むのが好きなんです。ストックホルムが舞台となっていて、日本でも出版されている本をいくつか紹介します。舞台がストックホルムだという小説はもちろん多くありますが、日本語に翻訳されているものはあまり多くありませんが、日本で出版されている数少ない小説の中にも僕の好きな本が何冊かあります。
例えば、Stieg Larsson(ステイーグ・ラーソン)の世界的な大ヒットとなった「Millennium-serien」は日本の早川書房で出版されています。「Män som hatar kvinnor」(ドラゴンタトウーの女)、「 Flickan som lekte med elden」(火と戯れる女)、「 Luftslottet som sprängdes」(眠れる女と狂卓の騎士)から成るこのシリーズはストックホルムという舞台をうまく利用しながら、連続殺人を含むプロットを賢く描く作品です。ドラゴンの入れ墨のある天才的なハッカーというヒロインの視点から語られるこの物語はなかか面白い。まさにページを捲ることが止められない三冊です。
もう1つお勧めしたいのは、スウェーデンの警察小説の原型だと言われている「マルテイン・ベックシリーズ」。Maj Sjöwall(マイ・シューヴァル)とPer Wahlöö(ペール・ヴァールー)の作家夫婦は、このシリーズの中でPoliskommissarie Martin Beck (マルテイン・ベック警視)という人物を中心にストックホルム警視庁の殺人課の仕事をリアリステイックに描く。1965年に出版された処女作「Roseanna(ロゼアンア)」から1975年に出版された「Terroristerna」(テロリスト)という最後の作品まで、計10作の長編が出版されています。リアリズムと左派的な立場からの社会批判に満ちているこのシリーズは、当時の時代精神をよく感じさせるもので、良いサスペンス作品でありながら、スウェーデンの現代史を読み取る良い資料でもあります。ストックホルムに行ったことがあるかないかは別にして、推理小説が好きな人なら、ストックホルムの犯罪と警察事情について本を通して経験してみたら面白いのではないでしょうか。 ちなみにマルテイン・ベックシリーズは日本で角川文庫から全10作にわたる長編として出版されています。

マルテイン・ベックシリーズの第4作「Den skrattande polisen(笑う警官)」[1968年発行]とミレニアムシリーズの第1作「Män som hatar kvinnor( ドラゴンタトウーの女)」[2005年発行]。
ところで、マルテイン・ベックシリーズは映画化にもなっているから、読書より映画鑑賞が好きな人には、ボー・ウィデルベルイ(Bo Widerberg)監督の1976年の映画「Mannen på taket」 (刑事マルテイン・ベックプレミアム・エディション)を勧める。1971年の「Den vedervärdige mannen från Säfle」 (唾棄すべき男)が原作となっているこの映画の中に、スウェーデン映画に珍しいハードボイルドの会話やストックホルムの中心部にある広場Odenplanで警視庁のヘリコプターが撃ち落とされると言う派手なアクションシーンが目立ったりする。

「Mannen på taket」 (刑事マルテイン・ベックプレミアム・エディション)
by ヨハン・ファント from Stockholm













